うめこのバンコクつれづれ草

バンコクに暮らしていた主婦。座右の銘は「面白きこともなき世を面白く」

駐妻うめこ、「失敗図鑑」夏目漱石を思う

こんにちは!

 

最近「失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!」という本を読みました。

ライト兄弟だの二宮尊徳だのアインシュタインだの古今東西の偉人たちの失敗談がまとめられています。

「失敗しても次どう立ち上がるかが大事」と偉人たちの失敗を例に解説されていて、子供向けの本ですが、下手な自己啓発本より全然ためになりました。

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった! | 文響社 Bunkyosha

出版社見てたら「うんこドリル」と同じところでした~。企画力のあるところですね。

 

さて、私が気になったのは「夏目漱石」の項。

夏目漱石は「留学して引きこもった」そうです。

昔の千円札の顔として有名な文豪「夏目漱石」はもともと英語の専門家でした。

優秀な成績で東大を出、当時の日本政府からお金をもらって「官費留学生」として英語教育を研究するためロンドンに留学します。そこで引きこもりになってしまいました。

 

明治時代の日本人の英語力なんて、、一瞬思ってしまいましたが、夏目漱石の英語力はかなりのものだったようです。日本にいたときから東大の講義もネイティブとほぼマンツーマンで受講し、数々の英文学を英語で直に読みこなしていました。

 

漱石は留学中に引きこもりとなってしまった理由は、下町の訛りやロンドンの空気の悪さに悩まされた、日本人の自分が英文学をすることに違和感を覚えた等諸説あります。

 

中でも、私が一番興味深く感じたエピソードは「ロンドンの街には長身の美しい英国紳士たちが闊歩している、ガラスを見て小さい汚い男がいると思ってみたら、自分だった・・・」って漱石の話です。鬱な気分が伝わりますね。

 

当時のロンドンは船で何日もかかるようなとんでもなく遠いところ。

今のバンコクのようにフジスーパーも無い、日本食も食べれない環境です。うめこのように嫌になったら飛行機ですぐ帰るつもりなんて絶対むりです。国からお金をもらっての留学で、当時の感覚だと「ゆくゆくはお国のために・・・」と自分からも周囲からもプレッシャーもすごそう。

 

漱石の学んできた上流階級の正式なアクセントの英語で、労働者訛りのロンドンのおっちゃん、おばちゃんにちょっと話しかけたら「この東洋人、何話してんや?は?」って態度とられたらへこむやろな。

全然、状況も英語のレベルも違うのですが、私も異国の語学学校で苦戦してるので気持ちが少しわかります。

 

これに反して、同じ明治の文豪でもリア充留学生活を送ったのは森鴎外。

ドイツ人の彼女がいて日本まで彼女が追いかけてきたほど。

(その時の話が代表作『舞姫』のモデルとなってます。)

もともと社交的な性格で作家としても軍医としても成功を収めた人です。

外国語を使うときもコミュ力と思うので、森鴎外は少々不慣れなことがあっても現地の人とうまく仲良くなって彼女もできたんやろうな。

 

奥様でも駐在員でも、タイ語も英語も語彙が少なくても上手にコミュニケーションとる人はとるのよ~。

 

しかし、漱石は英文学を読んできたこと、このしんどい経験があったからこそ、帰国後さまざまな作品を創作することが出来たのでしょうね。

学生時代に「虞美人草」「三四郎」とか読みましたが、そんな漱石の苦労話を知ると、もう一回読み返そうかな~と思います。亡くなる直前の作品とか。

 

英語の学校行くときも「あの夏目漱石だって苦労したんや~」と自分を奮い立たせています。

 

f:id:umematsutake:20181111154237j:plain

 

しんどい英語のあとはやはりパンケーキを食べたくなります。